2019年4月30日火曜日


 
  「世界に恥じない」平和といのちを守る日本を
     ~「生かされたいのち」を生きる

                      跡部 浩一

 急性骨髄性白血病から生還でき「生かされたいのち」を大事に「白血病の患者さんを励ます活動」構想に着手して以降、手探りの試行錯誤を重ねてきました。
 7ケ月にわたる隔離病棟から解放され、生きられる機会を得たことに多くの方から励まされつつも、生き残ったことを嫉むかの如きこころない囁きや、2011年3月の東日本大震災と福島原発事故の被害の甚大さに足が竦み、「一体、自分は何をしているのか」と自問自答する時間に正直、悩みました.悶々としながらも「先に無念のうちに旅立たれた方々に恥じない生き方をする」と覚悟を決めて、14年目の桜を楽しむ春を迎えられ、嬉しい限りです。
 
 現在、NPO活動を軸に「白血病」だけでなく「血液疾患」に幅を拡げ公益財団法人日本骨髄バンクはもとより、それぞれの長所を活かし、補完し合う他のNPO6団体との相互連携関係を築き、徐々に活動の領域が拡がりました。おかげで上場企業5社プラス3社のご支援も頂いてきています。
そのご縁で、30代前後のAYA世代の血液疾患サバイバーの方々と元気な活動を共に出来、「捨てたもんじゃない若者たち」に励まされています。「小さな点」が「少しの面」に拡がったかなぁです。
私の活動は、① 音楽を通じて ② がん体験を語る ③ 医療機関と体験者の合同セミナー ④ 大学生対象の講演・広報 の4活動を柱に、白血病をはじめ「血液疾患患者とそのご家族を励ます」活動に組み立てています。
今年も、①患者さん他を励ます(ミニ)コンサート3回、②体験を語る③医療機関との合同セミナーは、11月末長崎までの計5回。④母校明治大学をはじめ、首都圏の大学を対象に5回の講演・広報活動が計画され、6回目を迎えた「年男」もまだまだ何かとお役立ちできるかもの機会を頂いています。

 ところで、私の「いのちを生きる」活動への転換点は、2005年の白血病体験にあります。同時にその闘病時、共にした歌手本田美奈子さん(享年38歳)と「退院後」の活動を語り合った「二人のトークショー」構想であり、彼女が命名した「LIVEforLIFE」(生きるために生きる)にあります。
この72年間の人生もそうでありましたが、人との出会いは不思議な縁で、その時々の出会いとそのご縁に生かされながら「我が道」と思って歩んで来たのかも知れません。自分が選んだようで、他の方に生かされて来たのかも知れませんね。今更ながらにそう実感しています。
 と同時に、私のもともとの原点は、1945310日の東京大空襲にあります。
  私の父は、当時、江東深川で大空襲の直撃を受け、いのちからがら生き延び、手を携えて逃げた新妻は、火焔の中に消し去られたという。戦後に生を受けた私の初めて知った、我が家の戦争体験の一つがあります。
 「戦争」という名の下で実行された「無辜の民への無差別大量虐殺行為」と当時の政権・軍部、更には未だに世界での軍事行動を正当化する米国とそれに盲従する自民党政権への憤りこそ、いまだに私の「いのちを生きる」原点でもあります。
 後妻の手前、両国の慰霊堂参拝を控えた父の思いを忖度、いまも毎年3月10日に慰霊に訪れ「戦争に大義などない」「戦争しない・させない」いのちの誓いを新たにしています。

 奇しくも2月に、日本期待のスイマー池江璃花子さん18歳が、悲嘆の中で白血病罹患を公表し、私も体験した過酷な治療に現在、向き合っています。彼女の健気なメッセージが、社会的な支援活動の輪を広げています。
過去の体験者が、新たな体験者を重ね、それぞれが語り続け、白血病・血液疾患との闘いを繋ぎ、医療が一段と進化し、国民の中に、血液疾患撲滅の声が高まり、人が人として当たり前に生きることができる「世界に恥じない平和といのちを守る日本」とするために「ぼぉーと老けてんじゃないよ!」と戒めながら活動したいと思っています。
                                                                                                           
 元千代田火災海上出身
   (認定)非営利活動法人リブ・ォー・ライフ美奈子基金
                                                                             理事兼事務局長 跡部 浩一

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